飲食店が立ち並ぶ岩手県庁前、桜山神社参道の一角で、スパイスの香りを漂わせるカレー屋がある。居酒屋をランチタイムのみ借りて、営業中だ。父が放浪先のパキスタンで習得した味を、娘が忠実に受け継いでいる。
店の名は「サリサリカリー」。昼時には10席ほどがほぼ満席になる。メニューはたった1品。カレーとサラダ、食後のチャイのセットで税込み1千円だ。見た目は鶏肉料理のようだが、トマトの酸味とタマネギの甘み、スパイスの複雑な味が口の中で広がる。カレーに合うよう、米は硬めに仕上げている。
店主の本塚都(もとづかみやこ)さん(47)によると、まずタマネギとニンニクを煮込み、鶏もも肉とトマト、ショウガを入れてさらに数時間煮込む。水は入れない。最後にカルダモンなど11種類のスパイスを入れる。「スパイスは漢方の材料でもあるので、薬膳料理です」。1日に提供できるのは30食ほど。午後2時には居酒屋のスタッフが準備に来るので急いで店内を片付ける。
サリサリカリーは父のレシピだ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル